【お便り】手仕事はほんとにおもしろい

 若い頃に、三段タンスを習い覚え、ちりめんの布で、文箱仕上げたり、きめこみ人形など楽しみました。

ひなまつりには、きめこみ人形を飾る友人がいて、表情のゆたかな姿とシンプルな装いの味わいに感動したことが、忘れられない記憶です。

手仕事って、生活の中でいきていくんだなあーと思ったものでした。

お便りを書こうと思いましたのは、「さくらのつぼみ」を読みますと、若い方々も関心寄せられていて、デイサービスでお集りのみなさんは、お顔も晴れやかなご様子に、思わず私も日々どんなにか“工芸”の恩恵をいただいているかをお伝えしてみようかと、思いついたからなのです。

 70才目前の私は、昨日も手作りを楽しんでいました。今日は、その仕上げをしたところです。知人に送る約束をしています。新春に似合うほんのり、きれいな春色にしました。

 ある晩のこと、親子して私の家をたずねて来られた方がおりました。近いうちに、バザーを計画していて、手作り作品を販売して収益を子供達に役立てたいというお話しでした。快くお引き受けすることとなりました。

私は作り方をお教えするだけで、バザーをされるお母さん方が覚えて、後に作り上げるというものでした。近所のお年寄りの会のみなさんまでが手を貸してくれまして、それはありがたかったです。


 息子の就職、結婚がありまして、私は高齢の引越を経験しました時に、和紙の手作りが大いに役立ちました。

誰一人として知る人の居ない所に来まして、気持ちを伝える時のひと品になってくれたりもします。みなさんよろこんで下さいます。


 息子がアメリカで生活している時に、荷物の中にひとつだけ入れたものを、帰ってきてからも茶の間で使い続けています。

汚れにくいし、丈夫です。友禅和紙の色も変わらないでいてくれます。

色も、柄もきれいですので、外国の方にお渡しすることもあります。

カナダ、イギリス、中国、タイ、フィリピンのどこかで、今も使っていてくれるかなあと出会えた方のお顔なり思うことがあります。

 一時は、親の介護で、手作りからすっかりはなれた頃もありました。しばらくは、私も作ろうとする気持ちになれない時がありました。今はせっせと和紙を楽しんでいます。

というより、和紙が元気にしてくれている感が大きいのです。

手仕事は、ほんとにおもしろい。

作りながら、さしあげる方のお顔を思い出したりもできます。


「さくらのつぼみ」の中では、94才の方の大きな作品におどろきます。

長命にお元気で生活することが、なんとご立派なことか、私は年をとりまして、本当に思います。みな様、どうぞ、お健やかにお達者にいらして下さいと心から思いました。


私のふりかえる和紙の楽しかった思い出のいくつかをお話させていただきました。

和紙を扱う店が見当たらなくて、通信販売に支えられていてこそと、心から感謝申し上げます。


茨城県 60代 アーヤさま

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